金田一耕助シリーズ映画「悪魔の手毬唄」レビュー – 市川崑監督の名作

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金田一シリーズ第二弾「悪魔の手毬唄」の魅力

古民家

市川崑監督による金田一シリーズは、日本映画界の貴重な作品群です。その中でも「悪魔の手毬唄」は特に注目すべき作品ではないでしょうか。

「犬神家の一族」と比べる「悪魔の手毬唄」の特徴

「犬神家の一族」は何度も映像化されている金田一シリーズの中でも特に人気の高い作品で、世代を超えてその認知度は一番高いと言えるでしょう。

ですが、市川崑監督の金田一シリーズにおいて、それに続く「悪魔の手毬唄」もまた、独自の魅力に満ち溢れています。

犬神家の持つ怪奇さや一族の繋がりの深さに対して、手毬唄はよりミステリアスな雰囲気と人間ドラマを前面に押し出しています。

また、舞台となる風景や背景も、作品のテーマやムードをさらに引き立てる役割を果たしています。

映画の核心:物悲しくても心地良い、その雰囲気とは?

「悪魔の手毬唄」の最大の特徴は、全体を通して漂う物悲しさと、それに対する心地良さです。

この作品は、細やかな人間の感情や繊細な人間関係を巧妙に描き出しているため、観る者には切なさや寂しさを感じさせつつ、それと同時に何とも言えない満足感や安堵感をもたらします。

登場人物たちの心情や背景が、観る者の心に深く響く作品です。

市川崑監督の「悪魔の手毬唄」は、見る者の心を捉え放さない魅力に満ちています。

しかしながら、その認知度は金田一ファンを除けば「犬神家の一族」のそれと比べてあまりにも低いと言わざるを得ません。

金田一シリーズの中でも、この作品は独自の存在感を放ちつつ、監督の手腕を十二分に発揮しています。

もっと評価されてしかるべき作品なのです。

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主役・脇役を問わず、一流の出演者たち

囲炉裏

市川崑監督の「悪魔の手毬唄」はストーリーや演出だけでなく、出演者たちの卓越した演技によってもその価値が高まっています。

石坂浩二の飄々とした演技

金田一耕助役を演じた石坂浩二は、その飄々とした演技で観る者を魅了します。

彼の演じる金田一は時々クスっと笑える所作ではたから見るとどこか頼りなさげでありながら、実は知的で鋭く物事を観察する。

石坂さん自身が持つ魅力がこの役にピッタリハマっているといえるでしょう。

このキャラクターがシリーズの成功の大きな要素のひとつであることは言うまでもありません。

若山富三郎、破天荒なキャラからの一変

一方、若山富三郎は、多くの作品で破天荒なキャラクターを演じてきたことで知られていますが、この作品での彼の演技はそれとは一線を画しています。

この作品では不器用でありながら繊細なキャラクターを見事に演じきり、その演技により見るものを切なくさせます。

岸恵子 – 日本映画界の永遠の美女

岸恵子は、日本映画界を代表する美女として長い間親しまれてきました。

彼女の「悪魔の手毬唄」での演技も、その美しさと共に、深みのあるキャラクターを魅力的に演じ上げています。

常連俳優・若手俳優の貢献

市川崑監督作品には、大滝秀治、草笛光子、小林昭二ら多くの俳優が常連として登場します。

彼らは、熟練した演技で「悪魔の手毬唄」に一層の深みをもたらしています。

また、北公次は30代前半、仁科明子や永島暎子は20代前半でありながら、難しい役どころを見事に演じています。

このキャストの豪華さと彼らの持つ確かな演技力が、「悪魔の手毬唄」をさらに特別な作品として映画ファンの心に刻み込んでいます。

市川崑監督の手腕と「悪魔の手毬唄」の全体的な評価

映写機

市川崑監督の「悪魔の手毬唄」は、「犬神家の一族」と比較すると認知度は低いですが、多くの映画愛好家や評論家から高く評価されている作品の一つです。

前述のキャスト以外の理由を見ていきましょう。

原作、脚本、ロケ地…全てが完璧な一作

「悪魔の手毬唄」は原作の魅力を基盤としつつ、脚本やロケ地の選定も完璧です。

特にロケ地は、映画の雰囲気を引き立てる絶妙な選択がされており、視覚的な美しさと物語性が同時に楽しめます。

市川崑の監督としての技術

市川崑監督の技術力は、この作品においても際立っています。

彼のカメラワークや照明の使い方、シーンの繋ぎ方など、細部にわたって計算された演出が繰り広げられます。

特に、キャストの演技を最大限に引き出すための指導力は、この映画が持つ深い味わいを生み出しています。

市川崑監督の「悪魔の手毬唄」は、彼の手腕と、絶妙なロケーション、そして優れたキャストの演技が組み合わさり、観た者から愛される映画となりました。

観ていない方へ

古い駅

日本映画の歴史に名を刻む「悪魔の手毬唄」。

もしまだこの作品に触れたことがないなら、文字だけでは伝えきれないこの映画の深みや美しさがありますので、それを体感するために、是非実際に鑑賞してみてください。

その魅力を誰かに話したい、誰かと分かち合いたいと思うに違いありません。

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