2024年7月8日、「川島・山内のマンガ沼」【オール新作!夏のおすすめマンガ祭り】が放送されました。
この番組では、漫画愛好家である川島さんと山内さんが、最新のマンガ作品を熱くプレゼン。
今回は、そんな彼らがおすすめする、見逃せない夏の新作マンガを詳しくご紹介します。
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贋(まがいもの)
川島さんおすすめ
2023年から、ウェブ漫画サイト「ハルタオルタ」で連載が開始された『贋(まがいもの)』が注目を集めています。単行本は既に第1巻が発売されており、ファンの間で話題沸騰中です。
昭和初期の東京を舞台に描かれる画家の苦悩
舞台は昭和初期の東京。
主人公は内海素馨という名の画家で、彼は才能はあるものの、幽霊画ばかりを描き続けているために売れない状況に直面しています。彼の作品は墓場で描かれ、住職にも煙たがられる存在。
貧困と創造性の間で揺れる主人公
そんな内海は当然経済的にも困窮しており、家賃の滞納が続いています。
彼が居候しているのは、撫子と杏子という二人の女の子が住む家。
撫子と杏子は、撫子の母親である旅芸人が遠方で病気になり、帰れなくなったことを知らずにいます。
この状況が、内海に重大な決断を迫ります。
贋作の製作
内海は家賃を稼ぐため、そして何よりも撫子と杏子が暮らす家を守るために、裕福になるために、贋作の製作に手を染めることにします。
この選択が彼の運命をどのように変えるのか、物語は緊迫感を持って展開していきます。
美しい画が織りなす、心揺さぶるストーリー
『贋(まがいもの)』は、その美しい画も魅力の一つ。川島さんは、ぜひ紙の単行本で手に入れてほしいと言っています。
贋 まがいもの 一 (HARTA COMIX) Kindle版バーサス
山内さんおすすめ
2022年から「月刊少年シリウス」での連載がスタートした『バーサス』は、すでにマンガファンの間で注目を集めています。
この作品は、『ワンパンマン』や『モブサイコ100』で国際的に認知されているONE先生による原作で、その名声だけでも一見の価値があります。
現在、単行本は第3巻まで発売されています。
人類と魔族の壮大な対立が繰り広げられる舞台
『バーサス』は、人類が天敵である魔族に支配されている架空の世界を舞台にしています。
物語の大前提として「人類は天敵には絶対に勝てない」というルールがあります。
魔族は大魔王とその配下の47体の魔王によって構成されており、これらの魔王たちは日本各地に散りばめられています。
絶望的な状況からの大胆な転換
物語の進行において、47人の強力な勇者が集められ、魔王たちに挑むものの、彼らはあっさりと敗北してしまいます。
敗北後の人類は、生き残りをかけて、異なる次元の人類を召喚するという大胆な策に出ます。
召喚された人類もまた、自分たちの世界で天敵に追い詰められており、互いのピンチを共有することになります。
異次元の天敵同士を戦わせる戦略
『バーサス』では、13の異なる次元が繋がり、それぞれの世界の天敵が集結する点で独創的です。
この状況から、人類の代表者たちは、異なる次元の天敵同士を戦わせる提案をします。
各代表が自分の天敵が最も強いと主張するシーンは、作品にユーモアと緊張感をもたらします。
『バーサス』の展開に期待
このマンガは、第3巻の段階でまだその全貌が明らかになっていないため、今後の展開に対する期待が非常に高まっています。
ONE先生の創造力と独特なストーリーテリングが光る『バーサス』は、新たなマンガの傑作として注目されています。
バーサス(1) (シリウスコミックス) Kindle版転がる姉弟(きょうだい)
川島さんおすすめ
2020年からWebコミック「ふらっとヒーローズ」で連載がスタートした『転がる姉弟(きょうだい)』は、作者森つぶみ先生による家族をテーマにした作品です。
この漫画は、第5巻まで発売されており、2023年にはTV Bros.の「ブロスコミックアワード」で大賞を獲得するほど、高く評価されています。
主人公と新しい家族関係の形成
物語の中心は高校生の宇佐美みなとと、彼女の継弟である光志郎です。
みなとは幼少期に母を亡くし、父親によって一人で育てられました。
その後、父が再婚し、新しい母親とその小学2年生の息子、光志郎が家族に加わります。
みなとは初めて光志郎に会った時、彼が持つ「玉ねぎ」のような外見に内心失望するものの、家族としての新たな絆を築こうと努めます。
初対面から始まる新しい絆の物語
みなとと光志郎の初対面は、期待と現実のギャップに戸惑う様子が描かれていますが、徐々にお互いの存在を受け入れ始めます。
特に印象的なのは、光志郎が新しい環境に馴染めずに困惑し、夜中に涙を流すシーンです。
この時、みなとが彼にホットミルクを差し出し、二人の心が少しずつ通じ合う様子が描かれています。
このホットミルクのエピソードは、亡くなった母親がみなとに教えたものであり、家族の思い出が新しい家族関係の橋渡しをしている象徴的なシーンです。
日本の家庭コメディを彷彿とさせる温かなストーリー
『転がる姉弟(きょうだい)』は、その日常的ながらも心温まるエピソードで、「ちびまる子ちゃん」や「サザエさん」のような日本の古典的家庭コメディを思い起こさせます。
親子や兄弟間の小さな葛藤と和解が、読者に癒しを提供し、現代の家族の形が多様化する中で、何をもって家族とするのかを問いかけています。
川島さんが推薦する『転がる姉弟(きょうだい)』は、そのリアルな家族描写とユーモアが絶妙に融合した作品で、多くの読者にとって共感と癒しを提供することでしょう。
転がる姉弟(1) (ヒーローズコミックス ふらっと) Kindle版山内推薦のサイコサスペンス漫画『阿武ノーマル』深掘りレビュー
山内さんおすすめ
2023年から「マガジンポケット」で連載が開始された『阿武ノーマル』は、川上大和先生の原作とタイジュン先生の漫画で、すでに単行本は第3巻まで発売されています。
この漫画は初回から大きな話題を呼び、2000万PVを突破するなど、読者からの注目が集まっています。
主人公阿武英子の独特なキャラクター
主人公の阿武英子は29歳の独身OLで、彼氏もいない普通の女性。
見た目は可愛らしいものの、彼女の感情表現は極めて希薄で、まるで「人の形をしたコンピューター」のよう。
彼女の行動基準は「普通か否か」であり、自分自身の感情や思考よりも社会的な常識を優先します。
職場でのトラブルとその衝撃的な対応
物語は、職場に新しく加わった派遣社員・河原京介がパワーハラスメントを行うことから複雑化します。
この行動が原因で阿武の同僚が退社を検討する事態に。
しかし、阿武は異常な冷静さで河原を「普通」から逸脱した存在として制裁し、彼を会社から追い出します。
復讐とその異常な展開
河原はクビになった原因となった阿武に復讐を試みるものの、阿武は全く動じることなく対抗します。
その過程で、阿武は河原を更に制裁し、襲われた後に結婚を迫り、最終的には彼を脅して関係を強要するという極端な行動に出ます。
『阿武ノーマル』が投げかける問い
この漫画は、人間の倫理や社会的な「普通」の範囲について深く問いかける作品です。
主人公の非感情的な行動と周囲の反応を通じて、私たちが日常で何を大切にし、どのように振る舞うべきかを考えさせられるでしょう。
『阿武ノーマル』はその名の通り、普通ではない深い洞察と独特な展開で読者を引き込み、サイコサスペンスとしての新しい道を開く漫画として高く評価されています。
阿武ノーマル(1) (マガジンポケットコミックス) Kindle版竜送りのイサギ
川島さんおすすめ
川島さんが絶賛する『竜送りのイサギ』は、星野真先生による壮大なファンタジー漫画で、2023年から漫画アプリ「サンデーうぇぷり」で連載がスタートしました。
この作品はすでに少年サンデS(スーパー)での追っかけ連載も開始されるなど、その人気は急上昇中です。
物語の舞台と主要キャラクター
物語の舞台は、「竜」という神獣が住む世界の「陵獄島」。
ここは竜が決して近づかない処刑場であり、主人公の櫛灘イサギが「首打役」として罪人の処刑を行います。
イサギは特殊な能力「サトリ」を持ち、斬った相手の記憶を読み取ることができます。
イサギとタツナミの関係
イサギの人生は、島流しにされた史上最強の名将、須佐タツナミにより大きく変化することになります。
タツナミはイサギに剣術を教え、彼と父子のような絆を築きます。
しかし、タツナミが処刑される日が来ると、彼はイサギに自分の処刑を依頼します。
イサギがタツナミを斬ると、彼の記憶から竜を殺した瞬間が明らかになります。
神話と現実が交差するクライマックス
『竜送りのイサギ』は、神話的な要素と深い人間ドラマが交錯する作品です。
タツナミの記憶を通じて竜殺しを知ったイサギは、なぜそうなったのか、真実を求めて陵獄島を離れ、冒険に出ます。
川島さんの言葉を借りれば、「もう追い風に乗ったら鬼滅レベルに行く」とのことで、この漫画が持つ潜在的な人気と物語性は計り知れません。
『竜送りのイサギ』は、その独特な世界観とキャラクターの深みで、すでに多くのファンを魅了しています。
竜送りのイサギ(1) (サンデーうぇぶりコミックス) Kindle版この世は戦う価値がある
川内さんおすすめ
2023年に週刊ビッグコミックスピリッツで連載がスタートした『この世は戦う価値がある』は、こだまはつみ先生によって描かれています。
小学館から発行されているこの作品は、現在第2巻までの単行本が出ており、X(旧Twitter)で2.2万リツイートと10万いいねを獲得、さらに2150万ビューという驚異的な数字を記録していることから、その人気の高さが伺えます。
主人公・伊東紀理の日常と挑戦
主人公の伊東紀理は、25歳でブラック企業に勤めるOLです。
彼女は「とにかく役に立つ人間になりたい」と日々を努力し、他人に尽くす生活を送っています。
しかし、職場環境はセクハラが横行し、彼氏はモラハラを行う人物で、紀理自身は周囲の要求に応じることしかできず、「本当にこれでいいのか」という自問を抱えています。
自己実現への転機
彼女が自殺を考えた瞬間、1枚のドナーカードが入った封書を受け取ります。
これが紀理の人生に大きな転機となります。
死んだ後に必ず誰かの役に立てるドナーカード。
これを手に入れた彼女は「人に捧げるだけの人生をやめる」決意を固めます。
それから彼女は自分の人生を自分のために取り戻す決意を新たにします。
伊東紀理のリベンジ
この決意から、紀理は自分を取り巻く環境に立ち向かい始めます。
モラハラ彼氏には自分の思いをぶつけ、仕事でも自分の意見をはっきりと伝えるようになります。
彼女はこれまでの自分を超え、最終的にはドナーになることで、他人の役に立つという新たな形での存在意義を見出して生き始めるのです。
この世は戦う価値がある(1) (ビッグコミックス) Kindle版まとめ
「川島・山内のマンガ沼」で紹介されたこれらのマンガは、各ジャンルを代表する革新的な作品ばかり。
夏の読書にぴったりの新作マンガを、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
それぞれの作品が提供する独自の世界観とドラマを楽しんで、この夏をもっと豊かなものにしましょう。
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