
一時期、ネット広告で何度も見かけた、同じ色の点と点をつなぐだけのシンプルなパズルゲーム――通称「同色点つなぎ」。
一見簡単そうに見えるこのゲーム、実は「これ、本当に解けるの?」と誰もが首をかしげるような難問が混じっているのをご存じでしょうか?
「何度やっても無理。でも、解けない問題なんてあるはずがない…!」
そんなモヤモヤした気持ちのまま、つい答えを検索してしまった方も多いのでは?筆者もまさにその一人でした。
今回は、その気になる“解けない問題”について、ルールを整理しながらなぜ解けないのか、具体的に解説していきます。
また、他の問題の解き方のコツも解説しています。
この記事を読めば、あの不可解なパズルのカラクリがスッキリ理解できるはずです!
解けない問題の解けない理由
同色点つなぎの解き方のコツ
「同色点つなぎ」とは?ルールは簡単、だけど奥が深い!

一時期ネット広告でよく見かけた「同色点つなぎ」ゲーム。これは、指定されたエリア内にある“同じ色の点”同士を、線でつなぐだけというシンプルなパズルゲームです。
プレイ画面では、円や四角などさまざまな形状の枠の中に、複数のカラフルな点が配置されており、各色2点ずつ存在します。
ゲームの目的は、それぞれの同色の点同士を線で結ぶこと。ただし、その過程にはいくつかの制約があり、色の種類が多くなるほど、そして点の配置が入り組むほど、難易度はグッと上がっていきます。
ちなみに筆者自身は、実際のアプリをダウンロードしてプレイしたわけではないのですが、ネット上で紹介されている内容などを参考に、基本的なルールは以下のように整理できます。
同じ色の点を、線(実線)でつなぐ
線同士が交差してはならない
線は途中で他の色の点を通過してはならない
線は指定された枠からはみ出してはならない
線はスマホ上で指などで引ける、常識的な範囲のものであること
このようなルールに従って線を引いていく中で、「あれ?これ本当に解けるの?」という壁にぶつかることも。
実は、このゲームには“絶対に解けない問題”も紛れているのです。次のセクションでは、その謎に迫っていきます。
話題の“同色点つなぎ”に解けない問題?気になるその答えとは
広告でよく見かける「同色点つなぎ」ゲームですが、中でも、ネット上で話題になったのが下図のような問題(図1)。この問題、あなたも見たことがあるかもしれません。

果たしてこの問題、ルール通りに線を引いて“すべての同色の点”を正しくつなぐ答えは存在するのでしょうか?
結論から言うと――この問題に正解はありません。
どんなに試行錯誤しても、すべての線を交差させずに引くことは不可能なのです。つまり、この問題は“解けない問題なのです。
「いや、きっとどこかに正解があるはず…」と思っていませんか?
「こんな広告に出てくる問題なんだから、絶対に答えがあるに違いない」
「解けないのは自分のやり方が悪いだけかも…」
そんなふうに思って、何度もチャレンジしてしまった方も多いのではないでしょうか?
実は、筆者も同じように悩み、調べ、試し…を繰り返した一人です。
でも、実際にこのパズルには、どう頑張っても正解が存在しない理由があるのです。
次のセクションでは、この問題がなぜ“絶対に解けない”のか、図を交えてわかりやすく解説していきます。
なぜこの「同色点つなぎ」問題には答えがないの?その理由を解説!
この問題は、線をあれこれ引いてみても、どこかで交差してしまい、「あれ?ルートを変えればいけるかも?」と繰り返しても、やっぱりどこかで詰まってしまう…。
それもそのはず。実はこの問題は“そもそも解けない構造”になっているのです。
では一体なぜ、この問題には“答えが存在しない”のでしょうか?
混乱の元は「外周に接した2色の点」にあった!
まず図1よく見てみましょう。

この図1に示された問題には、赤・青・緑・紫の4色、合計8個の点が存在しています。一見すると複雑に見えますが、実はこの問題のカギを握るのは赤と青の点なのです。

そして注目すべきは、赤と青の2点がそれぞれどちらも外枠(円)に接して配置されていること。
この時点で、他の色(緑・紫)はいったん無視して問題をシンプルにしてみます。
赤をつなげば青が分断、青をつなげば赤が分断される構造
図3の通り、シンプルになりました。

そしてず3にあるそれぞれの点を赤1、赤2、青1、青2とします。

それでは赤1と赤2を繋ぎましょう。円の中であればどこを通っても構いません。



赤1と赤2をどのように線で結んだとしても、その線は円の内部を2つに分断する形になります(図5〜図7)。
つまり、赤の線によって、青の2点(青1・青2)が“別々の領域”に隔てられてしまうのです。
同じ色の点(ここでは赤1と赤2)がどちらも外枠に接しているということは、それを線でつなげることで、図5から図7のように、外枠に囲まれた範囲(この問題の場合は円)を完全に2つに分けてしまうのです。
いかがでしょうか。赤い線で完全に分けられたそれぞれの青い点(青1と青2)。どういう経路をたどったとしても、赤の線に交わらずにこれらの点をつなげることができないことは一目瞭然です(図8)。

逆に、もし先に青をつなげてしまったら、今度は赤が分断されてしまい、やはり青い線に交わらずに線を引くことができません(図9)。

つまり、図1の問題は解けないということになるのです。
1点だけが外周に接していない場合は解ける!
では、下の図10のように、青い点の一つが外枠に接していない場合はどうでしょうか。

この場合は、赤と青の線を交差せずに引くことが可能です(図11)。

これは、青の2点がどちらも赤の線で分断された片側の領域内に収まっているからです(図12)。

外周に接した点が交互に並ぶと「解けない問題」が生まれる
次に、図13のような位置で、4点が外枠に接している場合はどうでしょうか。

これも問題なく線を引くことができます(図14)。

図14のそれぞれの点に注目しましょう。赤1を起点に反時計回りで見ると、赤1→青1→青2→赤2となり、「赤→青→青→赤」の順に点が存在していることがわかります。
次に解けない問題の図1の赤と青の点に名称を付けた図15の赤と青の点の配置を見てみましょう。

図15では、赤と青の点が赤1 → 青1 → 赤2 → 青2で、「赤→青→赤→青」の順で外周上に交互に配置されています。
この配置になると、赤と青の線は必ずどこかで交差せざるを得ないため、絶対に解けない構造となってしまうのです。
「同色点つなぎ」における“解けない問題”の明確な条件
ここまでの解説から、解けない問題が成立する条件は次の2つであることがわかります。
条件1:2点とも外枠に接している色が2種類ある
条件2:その点が外枠上に交互に配置されている
この条件を満たす配置になっている問題は、どんなに頭をひねっても、どんなに線の引き方を工夫しても、絶対に正解にたどり着けないのです。
“答えがない問題”を見抜けば、無駄な試行錯誤を避けられる!
「自分には解けないだけで、誰かなら解けるかもしれない…」
そんなふうに思ってしまいがちですが、構造的に答えがない問題も存在するということを知っておけば、無駄に時間を使わずに済みます。
このような「解けない同色点つなぎ問題」は、広告やSNS上で“気になるように設計された”巧妙な仕掛けとも言えるでしょう。
解き方のコツを徹底解説!他の問題を解いてみよう!
ネット広告に出ている問題で、解けないものがあることはわかりました。では、今まで解説してきた解けない問題以外の問題は解けるのでしょうか。
ネットを調べて問題を収集してみましたので、みていきましょう。
2点とも外枠に接している色がないかチェックしよう!
図16をご覧ください。

2点とも外枠に接している色(赤)が1種類あります。
青と紫の点はほぼ横一直線に並んでいるため、ぱっと見ると、赤い点同士をつなげることは不可能に思えてしまいます。しかし、この問題は解くことが可能です。
まず青と紫の点をそれぞれつないでみましょう(図17)。

図17を見ると、青い線と紫の線をつないでも、赤を結ぶための空間があることがわかります。
したがって、そこを通る線を引けば完成します(図18)。

この問題では点の色が3種類で比較的解きやすいですが、4種類以上の点が存在する場合は、さらに解き方が難しくなります。もしこの問題のように、2点とも外枠に接している色がある場合、その点をつなぐのは最後にするのが攻略のコツ、と覚えておきましょう。
では、そのコツを踏まえて、似たような問題を解いてみましょう。

図19の問題も、青と紫の線を引くと、それにさえぎられて赤い線が引けないような気がします。
では先ほどの解き方のコツを踏まえて、青と紫の線を先に引いてみましょう。

実際に線を引いてみると、先ほどの問題と同様に、赤い線が引ける空間があることがわかります。
したがって、答えは以下の図21のようになります。

複雑な問題を解いてみよう!
今までは3種類の色が存在する問題でしたが、ネットには4種類の色が存在する問題もあります。難易度はあがりますが挑戦してみましょう。

図22は2点とも外枠に接している色が1種類(青)存在しています。
しかし、その2点はどちらも外枠の左側に位置しており、これも一見解けない問題に見えます。
まずはこれも攻略のコツを元に、青をつなげるのを一番最後にしましょう。
ここではまず緑からつなげてみます(図23)。

次に、紫(図24)→赤(図25)の順でつなげてみます。


すると、青をつなげる空間がわかるので、そこを通って青い点を結べば完成です(図26)。

それでは、最後に次の問題はどうでしょうか(図27)。

この問題では、2点とも外枠に接している色が2種類存在しています(紫、赤)。ただし、外枠に沿ってその位置関係を見てみると、解けない問題の条件には当てはまりません。
ここで解けない問題の条件をもう一度確認しましょう。
条件1:2点とも外枠に接している色が2種類ある
条件2:その点が外枠上に交互に配置されている
ではこの問題は解けるのでしょうか。紫と赤の点は後回しにして緑と青の線を引いてみましょう(図28、図29)。


ここまで解ければ、あとは紫と赤の点をそれぞれ結ぶだけで完成です(図30、図31)。


いかがでしょうか。これらは筆者がネットから探した問題ですが、一見解けないと思う問題も意外と簡単に解けたのではないでしょうか。
ですが、ひょっとしたら筆者が探し出せていないだけで、他にも絶対に解けない問題のパターンも存在するかもしれません。
また新しい解けないパターンを見つけたら、その理由を探ってみたいと思います。
まとめ:「同色点つなぎ」には本当に“答えがない”問題もある!
同色点つなぎの「答え」が気になるときは、まず問題の構造を冷静に見てみることが重要です。
次回からは、騙されずにスマートに攻略していきましょう!
ぜひいろいろな問題に挑戦してみてください。
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