スコアブックを付けていると、故意四球(IBB)の書き方で迷うことがあります。
ここでは、従来の敬遠と申告敬遠を含め、IBBの基本と記入の流れ、走者処理、打席途中での申告時の扱い、よくあるミスまでを一度に整理します。
目次
IBBの基礎とBBとの違い
- BBは四球の総称、IBBは「意図的な四球」を示す注記です。
- 申告敬遠は原則IBB、従来の敬遠も意図が明確ならIBBで区別します。
記入手順の基本
- 打者結果欄にBB(四球)を記入。意図的ならIBBを併記。
- 走者欄は四球基準で押し出し進塁を記入。
- 投球数は、申告敬遠なら加算しません。従来の敬遠は4球を加算。
走者・得点の処理例
- 例1:一死一、二塁でIBB
- 打者:IBB
- 走者:二塁走者→三塁、一塁走者→二塁、打者→一塁
- 例2:満塁でIBB(押し出し)
- 三走が本塁生還で1点、二走→三塁、一走→二塁、打者→一塁
- いずれも野選や妨害など別事象がなければ、四球の一般原則で記入します。
打席途中の申告時の扱い
- 申告敬遠は打席途中でも可。カウントはリセットされ、打者は一塁へ。
- スコアにはIBBとし、未投球での四球であることが分かるように注記します(投球数0)。
よくあるミスと対策
- BBとIBBの混在:意図が明確なときはIBBで統一。
- 投球数の誤加算:申告敬遠は0球。従来の敬遠は4球。
- 走者処理の抜け:満塁の押し出しは得点の加算を忘れない。
- 途中申告の記載漏れ:カウントを消し、IBBを明記。
事例で確認(簡易スコア例)
- 8回裏・一死二塁、四番打者に対し申告敬遠:
- 【打者】IBB
- 【走者】二塁→三塁、打者→一塁
- 【投球数】0球
- 【備考】申告による故意四球
スコアブックの種類別ポイント
- A型(イニング横配置):打者結果欄にIBB、走者欄は押し出しの進塁を矢印で。投球数は空欄か0を明記します。
- B型(打席イベント記述型):イベント欄に「IBB」、備考欄に「申告による故意四球」。
- 電子スコア:選択肢に“Intentional Walk/IBB”がある場合は必ず選ぶと集計で区別されます。
記入を速くする三つのコツ
- IBBの定型マークを決める(例:「IBB(申告)」の省略形)。
- 満塁用の押し出しテンプレを作る(「3塁→本塁」「2塁→3塁」「1塁→2塁」「打者→1塁」)。
- 打席途中の申告時は、カウント欄を斜線で消し「IBB」と書く運用で迷いをなくします。
練習問題(答えつき)
- 問1:二死一塁、四番に申告敬遠。次打者が初球で凡退。
- 解答例:四番=IBB、走者:一塁→二塁、打者→一塁、投球数0。次打者の結果を通常記載。
- 問2:一死満塁で申告敬遠。
- 解答例:打者=IBB、三走生還で1点、二走→三塁、一走→二塁、打者→一塁、投球数0。
- 問3:カウント1-2から申告敬遠。
- 解答例:カウント欄に斜線、打者=IBB、投球数0。走者処理は四球基準。
よくあるミスを避けるチェック
- 「BB」だけで終わらせる:意図が明確ならIBBも記入。
- 押し出し得点の書き忘れ:満塁時は必ず1点加算。
- 投球数の誤加算:申告は0球、従来は4球。
- 途中申告のカウント処理:カウントは破棄してIBBを記載。
追加の簡易例(コピペ用フォーマット)
- 書式:「回」「打順」「結果」「走者」「投球」「備考」
- 記入例:8回裏/#4/IBB/1塁→2塁、2塁→3塁、3塁→本塁/0/申告による故意四球
FAQ
- 申告敬遠の投球数はどう扱いますか?
-
投球がないため0球です。スコアにはIBBと記載します。
- 満塁のIBBはどう書きますか?
-
三走の生還で1点を記録し、各走者を一つ進塁で記入します。打者は一塁です。
- BBとIBBのどちらを使えばいいですか?
-
意図的な四球はIBBで区別します。申告敬遠は原則IBB、従来の敬遠でも意図が明確ならIBBを併記します。
まとめ
- IBBは「意図的な四球」を示す注記。申告でも従来でも、意図が明確ならIBBで統一すると後から見返しやすいです。
- 投球数、押し出し、途中申告の扱いを固定化しておくと、実戦で迷いません。

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